いつもヴィヴァーチェを温かく見守ってくださり、誠にありがとうございます。
開業から15周年という節目を迎え、そしてそれを記念する周年祭を終えた今、皆さまに改めて心からの感謝をお伝えしたいと思います。本当にありがとうございます!
日頃よりご来店くださるお客様、遠方からご注文をしてくださるお客様、友人たち、そして素敵なパンを焼いてイベントを盛り上げてくださったVAGOTさんや、今年も美味しいカバノッシを作ってくださった秋田ハムさん、この場を借りて改めて御礼を申し上げます。
この期間にたくさんのお祝いの言葉をいただきました。励まされ、共感していただき、温かい心に触れ、本当に幸せな時間を過ごさせていただきました。
振り返れば、この15年は決して平坦な道ではありませんでした。特に最近は、新しい挑戦の中で、大切にしてきたものが思い描いた形とは違う雑な形で扱われることもあり、心が痛む日々もありました。それでも、店頭に足を運んでくださるお客様、笑顔で「美味しい」「ここに来ると楽しい」と言ってくださる瞬間に、どれほど救われたことでしょう。皆さまの温かい言葉や応援が、私の生きる力となり、希望の光となっています。
私自身、この15年を経て、自分の弱い部分や課題にも気づきました。ジャムを作ることにどれだけの労力がかかろうとも、それ自体が苦になることは一度もありません。しかし、その分、商品作りに夢中になりすぎて、世間知らずな部分があったことも事実です。
自分で商品を作る方々なら、多かれ少なかれ共感していただけるかもしれませんが、私は自分の作ったものに自信はあるものの、PRするのは苦手で、つい謙遜してしまいます。そんな中、企業や営業の方々が私の発信するマニアックな「世界観」を褒めてくださると、つい信じてしまうことがありました。褒められることに慣れていないせいか、本当に嬉しくなってしまうのです。
しかし、そういった出会いの中には、結果的に私の大切なものが粗雑に扱われ、搾取に繋がるケースもありました。そんな出来事が重なり、今年は心が折れるような瞬間も多かったのですが、そのたびにお客様の温かい言葉に救われ、気持ちを切り替えてここまで進むことができました。
周年祭の直前にも、一企業の行動に心が揺れる出来事がありましたが、周年祭を成功させたい一心で頑張りました。私1人では無理だったと思います。応援してくださる皆様のおかげで乗り越えられたのだと思っています。本当に感謝しています。
これからは、お客様や友人、そして私たちの商品を本当に大切にしてくださる方々とのつながりを大事にし、それ以外にはしっかりと距離を取っていこうと思っています。ごめんなさい、御礼の場で暗い話を書いてしまいました。でも、こうした正直な気持ちも、15周年という節目に残しておきたいと思ったのです。
「ジャム屋の魔女が作るジャム」と、「ジャム屋の店主とバイトのユカちゃんとの何気ない日常」、そして「魔女の元で働く小人たちの世界」を紡いでいくこのお店が、皆さまの日々の中で小さな喜びや安らぎをお届けできるよう、これからも精一杯努力を重ねてまいります。
ちょっと重いご挨拶となってしまいましたが、私の正直な気持ちです。これからもどうぞ、見守り、支えていただければ嬉しいです。
私はお客様お一人お一人の心に寄り添えるようなジャム作りに心を込めて取り組んでまいります。そして、日常の中にクスッと笑いが生まれるひとときを、ジャムや様々な形を通してお届けできたらと思っています。
すべてのお客様に、心からの感謝を込めて。
ヴィヴァーチェ 石部朋子