今年も気合いを入れて作りました
カーネーション入りのりんごのジュレジャム
「ハピネス」
エディブルフラワーとは食用花全般を指しますが、
カーネーションは季節物なので、入手できる期間が限られております。
今年も赤く美しいカーネーションを無事に手に入れることが出来ました。
りんごの蜜をゆっくりと抽出し、それを透明のジュレ状になるまで煮詰めます
ゼラチン等固めるものを一切使わず、レモン果汁とりんごの蜜とてんさい糖のみで
プルンッとなるまで煮詰めます
そこにこの赤いカーネーションを浮かべますと、ほんのり赤い色がジュレに移りまして
水中花のように瓶の中で花開きます。
これを作り上げた時は、なんて美しいジャムなんだ!と、毎年自分に酔いしれます(笑)
母の日用にお求めになられるお客様がほとんどですが
お部屋に飾って頂いているお客様もいらっしゃるようです。
そして今年はもう一種類。
沖縄ピーチパインとりんごをブレンドしたジャムに
色んな種類のエディブルフラワー」を入れたジャム
「クラシック・フラワーガーデン」
この「クラシック・フラワーガーデン」には
製造に数週間かけております。
これ全てエディブルフラワーですが
この花たちが入ってます
真ん中に座っているのは花の妖精です 笑
このお花をそのまま果物と一緒に煮てしまえれば良いのですが・・・
残念ながらそういうわけにもいかず、
そのまま一緒に煮込みますと花弁はバラバラになり、
色は抜け、もれなく茶色いよくわからない物体が浮かんだ
非常に悲しいジャムに仕上がります・・・過去に何度も失敗しました私。(涙)
で、毎年試行錯誤していたわけですが、
アメニモマケズカゼニモマケズ
失敗は成功の母 とはよく言ったもので
いろんな失敗経験や小さな知恵が集まったり
偶然の産物を発見したり、化学反応をさせてみたり・・と
まあ、とにもかくにも色んなことを繰り返していると
その原材料の性質と仲が良くなっていくわけですね。
この花達ともそんな感じでして
どの花弁が何度だと色の変化が起きるのか
花弁がばらばらになってしまうのか
苦味が出てしまうのか等々
この数年本当に良い勉強になりました。
おかげで他のジャムにも応用できそうです♪(転んでもただでは起きません)
そもそもなぜこのジャムを作りたいと思ったかと言いますと
子供の頃に母の洋服ダンスの中を漁った・・いや、物色した・・ いえ、探索した時にですね
ユカチャン(`・ω・´)「コラっ」
店主(@@) ほら、子供の頃ってなにかと母親の化粧台とかタンスの中とか気になるものでしょ?
ユカチャン(`・ω・´)「確かに。」
店主(@@)私も例に漏れず可愛らしい少女時代だったのだよ。
ユカチャン(`・ω・´)「話が大きく逸れたようです。さ、元に戻しましょうね」
店主(@@) ・・・・
まあ、そんなわけで、その子供の頃に母の持ち物の中で一番印象に残っていたのが
アルフォンス・ミュシャの画集でして
ご存知の方も結構いらっしゃるのではないでしょうか?
うちの母はなぜかこのアルォンス・ミュシャの小さな画集をいくつか持っていまして
その小ささと言うのがスマホと同じくらいの大きさで、
しっかりとしたハードカバーで、
全体的に少しセピアがかっていて
画集なのですけれども立派な構えというか・・
その中の一枚一枚が繊細でレトロモダンな色合いで
それが私の中ではなんとも宝物感満載なオーラを醸し出していたんですね
母は恐らく今も持っていると思うのですが、
私が物色していたのがバレて以来、そのタンスにカギがかけられてしまいましたので 笑
今頼んだらきっと見せてくれるであろうと思うのですが
あれはこっそり見ていたからこそのトキメキ感もあったのかもしれません。
何年か前に、USBの整理をしていた時に
ふと移転前のお店の画像が出て来まして
前のお店がイメージと重なったのでしょうか・・
なぜかその時にこの画集を思い出したんですね
普段は思い出すことは無かったのに。
そしてその瞬間このジャムがフワッと頭に浮かんだんです
といってもその時は漠然と一枚の絵のような瓶詰が出来たらいいな・・・
くらいにしか思っていなかったのですが、一応スケッチだけはしておいたのです。
その後もなんとなく頭の片隅にはそれがあって
イメージは固まっているのですが
上記のように作ってみてはイメージに合わずの繰り返しで
手を変え品を変え・・の状態でしたが
試行錯誤の結果、ようやく花弁の色を損なわず、形
もキープして、瓶詰熱殺菌後も無事咲いてくれるよう
花弁をてんさい糖と檸檬の果汁で何度もコーティングすることで
イメージに近付けることが出来ました。
そーっと扱わないと、花弁がすぐにしおしおになってしまいますので
コーティングして、乾かして、またコーティングして、乾かして・・・・
できあがったものを、ジャムの中に詰めて、一気に熱を加え、密閉しました
ちなみに、熱殺菌を加える前の瓶詰した状態がこちらです
なにげに油絵のようになったな~と
我ながらカッコいいではないか!と自画自賛しておりました。
ですがこれは熱処理前です。
これもカッコいいですが、私の目的地はアルフォンス・ミュシャの世界です
この後に瓶の中を真空にするために熱を加えます
この時点で色素が完全に残っていないと
熱を加えた時に色抜けしてしまいます
ちなみにこのままですとお花はくっきり見えますが
しっかりとてんさい糖でコーティングしていますので
お花はカチカチです。
これを熱でふっくらと元に戻すわけです。
画像で伝わりますかね・・・・うまく撮れずすみません・・
実物は画像よりも花が背景(ジャム)としっかり馴染んでいるのですが
この花の色がほわっと滲むように、隣の花の色と重なり合う感じがですね
私の中ではイメージ通りなのです
もう完全に自己満足の世界です 笑
実際に見て頂くともう少しレトロ感を感じて頂けるかな・・と思います
長々と語ってしまいましたが、そんな思いを込めた一瓶です。
お花の部分は紅茶に浮かべて頂いて楽しんで頂ければと思います。
もちろん食用なので食べられますが、そこはまあ・・花なので(^^;)
食物繊維と思って食べて頂いても
丸ごとですと食べにくいと思いますので
刻んでドレッシングに入れて頂いても良いかもしれません
ジャムはドレッシングの隠し味に最適なんですよ♪
そんなわけで今年はお花をテーマに
ジャム以外にも只今フラワーシュガーを仕込み中です
出来上がりましたらご案内・・・出来たらいいなぁと思っております 笑
どうぞ気長にお待ち頂ければ幸いでございます^^